2章.イベント最速理論(ソロ)
「イベントを回るときはね、自由でなんというか、孤独で」

この章ではぼっち……ソロでのイベント参加における頒布物回収の効率化を考えていきます。
孤独です。周囲は皆仲間連れで楽しくわいわいしているように錯覚する事もあります。
寂しいです。頼れるのは自分自身しかいません。全て自分でこなすしかないです。
それでもやらねばならぬ時があります。
なるべく欲しい物を多く手に入れるための立ち回りを学びましょう。
また、ソロでの基本的な動きの把握は、集団戦でも役に立ちます。
余りソロ活動に傾注しすぎると集団行動に適さなくなってしまう恐れもありますが、それらは後ほど3章にて説明します。
それでは参りましょう、イベント最速理論(ソロ)です。


○購入ルートという概念
1章でも何度か出しましたが【購入ルート】という単語を使っております。
要はどのサークルを最初に買って、次はどこを買って……というルートのことですね。
皆さんも当然ながら理解されているし実践されていると思います。
感覚的に行っているという方もいらっしゃるでしょう。
このルートの設定をどこまで突き詰めるか、というのが本章の大半となっております。
ルートをなるべく細かく設定しておく事で自信を持って移動する事が可能となり、迷う時間が不要となり効率よくなっていきます。
さまざまな要素を踏まえた上での自分なりの最短ルートを築くことが出来るようになれば、そのときにはひとかどのイベント戦士となっていることでしょう。


○会場・マップ(サークル配置)の把握、購入マップの作成
ルートの策定のために必要な事はいくつかありますが、まず最初にすべきことはイベントの会場そのものの把握です。
会場の把握とは、会場そのものの構造を理解する事です。

入るところと出るところ、これが分からなければ当たり前ですがどう動けばいいのかなんて考えようがございません。
1フロアのイベントですとそこまで考える必要性はないですが2フロア以上のイベントとなるとフロア移動をどうするのかも確認しておかなくてはなりません。
列形成の都合、ホールの外に出される可能性があるような場合は、外にどこから出るのかも理解しておいた方がよいでしょう。
会場スペースの大きさを分かっていると、待機列の人数を見てどれくらいの混み具合になるか推測する事が可能です。分かった時には時既に遅し、という場合が多いですが……来場者数を予想して混み具合を予測できれば、自分の動き方も変わってくるでしょう。
このように会場把握はルート策定にとって大事な要素です。
余り自分の記憶を過信しすぎてはいけません、イベントごとに利用の仕方というのは異なるからです。当日どのように使用されるかはカタログがあるならそれをしっかり読んで確認すべきです。特に入り口と出口に関しては気にしたほうがよいでしょう。

コミケ、ビッグサイトを思い浮かべる方は多いと思います。ビッグサイトの構造は頭に叩き込んでおくと何かと便利です。
待ち合わせ場所などを指定する際お互いに分かっていると大変便利だというのもあります。
細かいところまでは面倒……という方は、せめて東西の各ホールの位置、東西の移動経路、ホールの外に出るためにはどこから出ればよいか、を理解しておくとよいでしょう。回数を重ねれば嫌でも覚えます。

次はマップ(サークル配置)の把握です。
こちらの方が直接的に重要です。サークルが如何様に配置されるか、これが分からなければルートの作りようがありません。
基本的に、カタログを見ればよいです。カタログを見れば分かる、という方は問題ございません。
よく分からない、という方は下記の用語を覚えていただければと思います。
図1と合わせてご覧ください。

①シャッター
 ほぼビッグサイト東ホール特有の表現です。ここに配置されたサークルはホールからトラックヤード側に向けて列を作ります。つまり一旦外に出ないと列に並べないので注意が必要です。基本的に超大手が配置されます。
②壁
 文字通り会場外周部(壁際)に配置されたサークルです。視覚的に分かりやすいかと思います。基本的に大手が配置されます。
③偽壁
 若干定義が曖昧な言葉です。壁際配置ではないのですが、それと同等の空間を持った配置といえばよいでしょうか? 大きな通路(ビッグサイト東ホールにおいては両端、シャッターや柱に隣接する部分)に隣接するサークルと捉えておけば大体間違いないです。コスプレスペース隣接などもありえます(最初コスプレスペースを購入列用に使用する場合などですね)。基本的に中堅~大手サークルが配置されます。
④誕生日
 お誕生日席です。机を並べて作る 「島」 の短辺側に配置されたサークルです。大きな通路に面するので中堅~そこそこ大きなサークルが割り当てられる事が多いです。
 お誕生日席が作られないイベントでは「島端」(その名の通り島の端っこ)にも注意を向けたほうが良いでしょう。
⑤誕生日(端)
 ④の特殊ケースです。ほぼビッグサイト特有です。外周に面した誕生日席、通常誕生日席より捌ける人が多くなるのでその分大きなサークルが配置されることになります。
⑥島中
 ①~⑤以外になります。呼称は配置の問題であり、配置されるサークルのレベルとは無関係です。ですので島中に中堅~大手が配置されてしまういわゆる事故配置(配置スタッフに失礼な表現ではありますが)が起きることはまれによくあります。
⑦動線
 人の動きを表す線、人の移動経路です。使用例としては「動線確保」「動線を塞ぐ」が一般的です。基本的にはスタッフ側の単語ですが、大手の列などにより「塞がれる」可能性を理解しておく事が重要です。

これだけ覚えておけば、問題ないでしょう。

さて、マップを手に入れたら作成済みの購入リストと照らし合わせて購入マップを作成してしまいましょう。買いたいサークルのスペースにチェックを入れていくだけです。スペースに余裕があれば購入物や金額を書き込むと良いでしょう。写し間違い、抜け落ちに注意してください。コミケのカタROMは購入マップをカット付きメモ付きで事前に印刷できるので本当に便利です。
購入優先度によって印を変えたり色変えしたりすると分かりやすい図ができるでしょう。

 私の場合、一番優先度の高いサークルは☆マーク、次に行きたいサークルを◎、などといった風にチェックを変えています。

1章の準備と合わせて、ここまででルート策定のための基礎が出来ました。
いよいよここからが本番です。ルート策定に必要な考え方を記していきます。


○情報戦~各サークルの特性の把握
戦争とは手に入れている情報によって大きく左右されます。

各サークルには特性があります。絵柄や作風の話ではありません。購入までにかかる時間に関わるものです。
当日の状況によって変化するものもあります。
人気(+ジャンルの人気)、頒布物の種類の多さ、頒布物の種類そのもの、イベント限定、搬入量、売り子の数……
一つずつ見ていきましょう。

・人気(+ジャンル、カップリング、キャラの人気)
 サークルの人気は当然ながら購入する人数に直結します。どれくらいの人気があればどれくらいの人数買いに行くのか、これは一概には言えません、経験で慣れていくしかないところもあります。ツイッターのフォロワー数、ピクシブのフォロワー数などである程度推測する事は可能でしょう。サークルが配置されている場所から人気を推測するというのも一つの手です。しかしある日突然火がついて爆発するサークルもいますのでアンテナをいつも張っていることが重要ではないでしょうか。
 所属ジャンルや描いた本のジャンルが流行である場合、加えて購入する人の数が増えるので注意が必要です。ジャンル内でもカップリングやキャラによってさらに人の数の増減があるでしょう。流行ジャンルではそもそもイベントそのものや島ぐるみで人口が増加しますので警戒を怠らないようにしましょう。警戒しすぎてしすぎるということはありません。

・頒布物の種類の多さ
 頒布物の種類が多いサークルさんがあります。イベントに出るのもただではありませんから、一度にたくさんのものを持ち込んで売りたい……その気持ちは痛いほど分かります。たくさん作ったから、という理由かもしれません。在庫がいっぱいあるからという切実な理由かもしれません。
 ですが、非常に悲しい事にイベント序盤の回転率が非常に悪化します。既刊が大量にあれば皆さんやはり見てしまいますよね、どれを買ったらいいか悩みますよね? そしてたくさん買う人が出てきて受け渡しも煩雑化しますよね? つまり列が非常に長く伸びがちになります。この対策のために既刊は午後から頒布、という手をとるサークルさんもいらっしゃるのです。島中ならともかく壁でやられると非常に辛いです。
 この情報を得た場合、早めに行くべきか後回しにすべきか、そもそも委託に任せるかまで考えた方がよいです。購入優先度や他の情報との兼ね合いによって答えは変わってきます。

・頒布物の種類そのもの
 頒布物の種類によって非常に時間がかかる場合などがあります。
 たとえば大物(タペストリー、抱き枕等)がありますと、受け渡しそのものに非常に手間がかかってしまいます。金額も高く金銭のやり取りにも時間がかかるでしょう(キリのいい値段の場合はスムーズな場合もありますが)。
 マグカップなども時間がかかります、これは割れていないかどうかの確認をその場で行うからですね。
 カードスリーブ、これは上記の種類の多さの方に分類される案件ではありますが……スリーブ屋は売っている種類が多いですから非常に時間がかかりますね。
 セット系の頒布物を購入した際、セットを組めていないと時間がかかる事があります、これはそこまで時間はかからないです。売り子さんの数がいればですが。
 最初は通常より時間がかかるだろう、という事を認識すればよいかと思います。列がなければ問題は無いのです。列になっているからこそ、一人一人の時間の長さが加算されていき、大きく全体に影響するのです。

・イベント限定
 イベントでしか売っていないものというのがあります。そもそも書店委託できないもの(コピ本、特殊なケースでは中の人本や食べ物)であったり、イベント限定本やイベント限定グッズであったり、本のオマケであったり……
 当然ながら委託で買えないため当日狙う人が増えます。限定のものには限数がかかることが多いですが、それでも欲しい場合は早めに行った方がよいでしょう。

・搬入量
 そもそも搬入される量が少ない、というケースがあります。手違いとか、コピ本なので作成数の限界があったとか、グッズの作成量に限界があったとか、そういうケースです。シャッターや壁ならいざ知らず島中で大物を頒布するとなるとスペースの都合一気に数が減ると思います。そもそもいつもそんなに数を持ってこないというサークルさんも存在します。サークルさん自体から告知が出される場合が結構ありますので、確認したらなるべく早めに確保しに行くのがよいでしょう。

・売り子の数
 人のはけに直接関わるところです。二人と一人では単純計算で速度が2倍違います。頒布物が袋とセットなどの場合は売り子+後ろの控え……という形になるかもしれませんがやはり二人の方が速度は上に決まっています。そこそこ以上の人気サークルが、「当日私しかいません」「挨拶回りで朝一いません」、といっている場合は注意しましょう。偽壁、誕生日、島中、どこであろうと事故が発生する恐れがあります。逆にシャッターや壁は基本的に売り子が複数いてくれる……はずです。ええ、壁でも売り子が一人しかいないサークルもいますので注意しましょう。
 
 私も非常に痛い目を見たことがあります。頒布物の種類が多い上に売り子が一人で壁、という三重苦を背負ったサークルさんに早い段階で行くことにしてしまい、大いに時間をロスした苦い記憶があります。イライラゲージがMAXに突入してしまい、その後委託でしか買わなくなりました……

・出欠、遅刻
 特性とは違いますが出欠と遅刻の情報は当然ながら重要です。これだけは手に入れておきたいところ、欠席なら回らなくていいですし、遅刻なら回るのを後回しにしますからね。情報が無い状態で席に誰もいないのを見た場合、あなたは欠席なのか遅刻なのか分かるでしょうか? 私には分かりません。
 かといって欠席の情報は前日までに大体出るでしょうが、遅刻の情報は当日まで分かりません、こればっかりは最終チェックを当日朝ツイッターなどで行う事でカバーするしかないのですが、購入サークル数が多くなればなるほど難しくなります。ある程度の妥協は必要かもしれません。
 
 事実、私自身遅刻サークルに関してはよく取りこぼしをしております。購入優先度の高いサークルではそういうことを起こさないようなるべく事前チェックをしているのですが……いないと反射的に欠席マークを記してしまうんですよね、この点は反省です。

・限数
 ソロの場合限数は基本的に関係ありません。仲間と共同で購入する場合は必須の情報となりますので注意しましょう。3章で解説します。


いかにサークルの情報が重要かお分かりいただけたでしょうか。
これらを頭に入れた上で、どのサークルから優先的に回ればよいのかを考えてルートの策定を行うようにしましょう。


☆初動の重要性
この章で最も提唱しておきたいことの一つです。それは、初動の重要性です。
初動とは読んで字のごとく、最初の動きです。同人関連で初動というと売り上げ関連の言葉として使われると思いますが、あえて使わせてもらいます。
初手(1手目の購入先)、よりももう少し広い範囲で、開幕15分とか30分とかそれくらいの範囲で考えていただければと思います。
では想像してください、あなたはコミケにソロで一般参加します。シャッターは時間がかかるから最初に行こう、と初手にシャッターサークルを選びました。シャッターで30分待って購入しました。その間に一体何が起こっているでしょうか。
当然ながら30分の間に他のサークルもどんどん売れていきます。
しかしそれ以上に問題なのが、人の動きです。シャッターに並んでいた30分の間の人たちがホールへ戻っていきます。壁に並んでいた人たちは島中へ散らばっていきます。最初から島中へ動いていた人たちはガンガン買い物をしています。待機列からどどん人がホール内に入ってきます。外からホールの中へ戻ってきたときには既に頒布が大量に行われており、さらにはホール内に人が増えてスムーズには動きにくくなっているでしょう。
こうなると島中を回収するのも一苦労なのです。完売も続出し、あなたが本当に欲しかったものは手に入らないでしょう。。
他のホールへ移るころにはもはや何も残っていないでしょう。完売の文字が躍り狂い、あなたは心が折れてしまうでしょう。

極端な話ですが。

最初の30分という時間は本当に重要です。全てがそこで決まるといっても過言ではありません。
シャッターや壁に人が集中している時間こそソロ勢にとって最大のチャンスであるのです。エンジンのかかっていない人たちを尻目に全力で歩き回るべき時間帯なのです。
なればこそサークルチケットが猛威を奮うのです(余り言いたくないですが事実ですので)。彼らは速攻でシャッターや壁を終わらせて島中へ自由に動き出せますからね。
自分の本当に欲しい物がシャッターや壁にある場合は仕方がないですが、それ以外にあるのならそれ以外を回せばよいのです。
目的を見失ってはいけません。

ソロにおいては誰もあなたを助けてくれません。勝ち取る物は自分で勝ち取らなければなりません。この際初動で何を狙うのかは本当に重要なのです。下手を打つとシャッター1サークルで終わります、上手く回せば30分で30サークル回る事も可能です。それくらい違います。どちらをとるかはあなた次第なのです。そしてこれらは択一なのです。
目的のサークルが複数のホールにまたがる場合もあるでしょう。その場合どちらのホールから制圧するかによって、もう片方のホールは犠牲になるかもしれません、やはり択一なのです。
選択の決め手は一体何なのでしょうか?


初動で最も大事なのは、あなたが本当に欲しい物を手に入れることです。


初手でなくていいです、初動で手に入れられればいいのです(移動経路の関係上初手が難しいケースは多々あると思いますので)
シャッターが、壁が一番欲しいならそこに行くべきでしょう、例え島中で多少捨てる事になったとしても。
島中のサークルを大量に拾いたいのなら最初から島中へ行くべきです。
ホールが分かれていればどちらにホールに欲しい物が多くあるか、一番欲しい物があるホールはどこかによって選択すべきです。
本当に欲しいサークルさんの情報を徹底的に頭に入れておき、何分までに行けばよいか理解しておけばそこまでを初動として区切って動き回ればよいのです。

初動が上手く決まれば、その後の動きは初期目的に左右されずに動けるようになり自由度が増します。物理的最短ルートを動くもよし、次点で必要な物を拾いに行くのもよし、ホールを移動するのもよし、です。
初動が上手く決まれば、その後の動きは軽快になります。気分の問題ではありますが自分の本当に欲しい物を手に入れられたなら安心感が違うものです。安心感はその後の行動を安定的なものにします。逆に焦りは行動を不安定にします。この差は意外と大きいのです。

大抵の方は感覚で理解している考えだとは思います。ただ実践するとなると決断力が必要となります。自分自身の後悔のないように初動を組んでいただければと思います。思考停止で大手を初手にしたり、入り口から近いところから潰していったりなどして目的を見失うようなことの無きようお願いします。


 私も、昔はコミケをシャッターからスタートしたものでした。ですが私は途中で自分の理念を、「とにかく本当に欲しいものを手に入れる、それも数多く」、という方向に切り替えました。これによりシャッターは基本切り飛ばされ壁や島中を重点で回すという風になりました。まあそれもまた一つの道ということで紹介させていただきます。
 コミティアはシャッターからスタートしてますね、私。
 コミケ以外のイベントにおいても考え方は基本的に変わりません。温い考えで初動を適当に動いたら痛い目を見ることがあります、見たことがあります、いつだって手を抜くべきではないのです。


○事故の見切り~捨てる勇気、引かぬ忍耐
初動の重要性のところで選択の必要性について説きましたがそれとは別の話になります
周回途中で、予想以上に並んでいるOR予想以上に進みの遅い(牛歩)壁や大手サークル、列などできないと思っていたら列が出来てしまっていた島中サークルと遭遇してしまうことがありませんか?
これらを総じて「事故」と呼びます。
事故は大いに予定を狂わせます、後ろに控えている購入サークルたちへの手がどんどん遅れてしまいます。焦りから来るイライラや見通しの甘さから来る自分への苛立ちに攻め立てられます。
事故に出会ったとき我々はどうすればよいでしょうか?

そのサークルを見切るか見切らないか、という選択を迫られる事になります。
何度も言いますが、ソロは誰も助けてくれません、その分選択を迫られる局面が非常に多くなります。
そこ以上に優先すべきサークルが後ろに控えている、余りに時間がかかりすぎる気配がする、全く進まない……これらの状況を鑑みて、捨てる選択を取る事も一つの決断です。捨てる勇気が必要なのです。
逆にどうあがいてでも欲しい、そのサークルのものを買わなくてはならない、という場合はこれはもう耐えるしかありません。忍耐も時には必要なのです。

どちらが重要かといえば、捨てる勇気の方が重要です。中々人は捨てられません、正直捨てる事が出来るならこだわりませんからね。委託でも買えるなら軽く捨てる可能性はありますが、委託で買えるならそもそも並ぶ事を選択しない可能性のほうが高いでしょう。見切りはここまで集めてきた情報、優先度、現在の状況の複数の条件から判断する物です。固定の正解はありません。あなたの採った道があなたにとっての正解であることを祈ります。
一旦捨てて後で戻ってくる、という更に高度なプレイングも可能ではあります。ただこれは売り切れとの勝負が始まるので基本的に運がよければという感じでしょう。

 私は割りと捨てるときに悪態をついていくキライがあるのでそこは反省すべきところです。「無理!」とか言いながら去っていく様は見事な負け犬であり悲しいですね、サークルさんに最大限の敬意を払いましょう。


☆ブロック理論
この章で最も提唱しておきたいことの二つ目です。理論というには少々大げさですが、かっこよく名づけてみました。
図2と照らし合わせながらお読みください。というより図2を見てもらえれば大体分かるかと思います。
複数のサークルを独自のブロック(イベント側指定のブロックとは違う)に分けて、まずブロック単位で移動について模索するという考え方です。
闇雲に一つ一つのサークルごとに移動を考えるのは非常に難しい物があります。特に多くのサークルにチェックを入れれば入れるほど移動経路に関して煩雑になりやすいでしょう。
そこでまずは近いサークル(隣り合うサークル、通路を挟んで向かい合うサークル、並びが同じサークル等)を一つのブロックにまとめてしまいます。数個から十数個のブロックを作ったら、ブロック単位で優先順位や移動経路を考慮した上でルートを策定します。その後でブロック内のサークルのルートを策定する、という寸法です。

上手くブロックにならないのでは? という懸念があるかもしれませんが、基本的に特定のジャンルやキャラ、カップリングの本を買うと仮定した場合近くの配置になる事が多いでしょう。そうすると自然とブロック化していきます。別にぽつんと離れていれば1サークルを1ブロックと認識しても構いません。

この方法の利点は以下の通りです。
・ブロックにまとめることで、「点と点」から「範囲と範囲」での考えに移行でき、考えるべき移動経路も減ってすっきりします
・「範囲」にまとめることでマップを広く見れるようになり、より効率的な移動を考える事が出来るようになります
・ブロック内、すなわち場所的に近いサークルの移動の最適化を、全体の移動から切り離して行えるので考えやすくなります
・ブロック内のサークルの後先の交換など小回りがきくようになります
・一々一つずつサークルを矢印で繋ぐより精神的に楽です

デメリットは特にありません。

いかがでしょうか、皆さんの中にも無意識にこの方法を使っている方はいらっしゃると思います。ですが意識してみて使ってみるとまた違った結果が出てくるのではないでしょうか?
軽くマップの中の購入サークルを幾つかのグループに括ってみるだけでいいのです、それだけで視界が開ける事があるということです。

 なるべく自分でも気合入れて理論を実践しようと思っていますが、急いでるときは頭の中で適度にブロック化しながらルートを決めていることがありますね……序盤だけルートを決める、ということも往々にしてあります。ただその場合でもこの理論を基本として持っていることが多少の自信にはなっております。


○円の動き~じぐざぐ歩きとの比較
こちらも図3と合わせてご覧ください。
イベント会場の中をどう進めば最短ルートで回れるかというと話です。
図3の通り、縦横の問題、会場による違いはあれど、「島の長辺を行ったりきたりジグザグに歩く」よりは、「島の上辺を横に貫く形で動き、端まで到達すれば下辺から戻ってくる」という動きの方が圧倒的に移動距離が短いのです。
ビッグサイトを非常にイメージした図となっておりますが、他の会場でも同じことが言えます。
もう一枚の図、図4をご覧ください。こちらは別の会場をイメージした図となっておりますが、規模は小さくなれど円を描くようなルートを取った方が総移動距離が少なくなるのを見てとれるかと思います。
ここで重要なのは前記のブロック理論であり、これを頭の中で持っていると場当たり的なジグザグの動きではなく、円形、弧を描くような動きをイメージできるようになっていきます。
この考えが高じると本当にぐるぐる竜巻のような動きになります、少々やりすぎな気もするところですが。

あまり狭い会場では考える必要の無いことではありますが……100SPを超えてきたら考えていった方がよいでしょう。


○混雑を避ける
ルート策定の上級編です。通路の混雑状況を事前に予測して、混雑している所をなるべく通らないようにする、というテクニックになります。どこもかしこも混んでいる状況(コミケ3日目東館、最近だと艦これ島、その他小さなホールにキャパ限界に人が入った場合など)ではそもそも考えようがないですが、ある程度までですと混雑箇所というのは予測可能なのです。
例えば「角」、角は混みます。壁、偽壁、お誕生日席などからの列圧迫。および皆が通ろうとすることにより簡単に混雑します。同様の理由で壁に面した通路もやはり混みます。人気ジャンル、キャラ、カップリングの島は混雑します。島中に大手がまぎれこんでいると、列によって通路がふさがれる(ことの無いようスタッフが対応するのですが)かもしれません。図5を参照ください。
特に最後はルートに大きく影響する(全体の動線そのものに影響する)ので、ここまで事前調査できるのであれば極力避けるようにすべきです。スムーズに動けることで、時間短縮かつ気分が高揚します。
勿論、目的の都合上混雑に自ら飛び込まなければならない場合も時にはあります。その際は腹を括ってください。人の流れに乗って動くのも一つの手です。


ここまでの考えを頭に入れた上で改めてマップ上の購入サークルにルートを付け加えてみましょう。
今までに無い効率のいいルートが出来上がったのではないでしょうか? そうだとしたら非常に幸いです。
効率のいいルートが効率のいい回収を生み出します。買い逃しを減らし、自由な時間を増やします。
興が高じるとルート策定そのものが楽しくなってくるかもしれませんが、目的はあくまで欲しい同人誌を手に入れることですのでそこは間違えないようにしましょう。
ルートを作らないという方でもこの考え方を頭の片隅に留めていただければ……


○やり取りの円滑化 事前準備・支払
ルート策定とは関係ないですが、現実的に時間短縮が可能なテクニック、それがサークルさんとのやりとりの円滑化です。
とて単純な話でして、以下の3点に気を付けていただければいいです。
①購入物の事前確定 ②金銭の準備 ③購入物をしまうタイミング
一つずつ見ていきましょう。
①購入物の事前確定
事前に買うものが決まっていれば、サークルさんと相対した時にいちいち悩まなくてもよい分時間短縮になりますね? もちろん、読んでから決める、という風に心を固めている場合はそれはそれで問題ないかと思います。ただなるべくなら決まっていると②にもつながって大きな短縮となっていきます。列ができるサークルでは並んでいる間におしながきが流れてきて、その時に決めることが可能、というケースもあります。
②金銭の準備
①が行えていれば、サークルにたどり着く前、または列に並んでいる間にお金を準備できるはずです。できればお釣りなしの金額を準備できればベストです。サークルさんに合計金額を言われた瞬間ドヤ顔でぴったり渡してあげましょう。お互いに気分のいいこと間違いなしです。お釣りを用意してもらって受け取る時間も飛ばせます。このために一章で述べたとおりなるべく両替しておくべきなのです。
③購入物をしまうタイミング
買った物をしまうタイミングですが、たまにサークルさんの前ではじめてしまう人がいます。これはサークルにとっても後ろに並んでいる人にとっても大変迷惑な行為です。次の人への頒布を妨げているのですから当然です、注意しましょう。そもそもその場にとどまっている時点で遅いです。移動しながら袋へしまうようにすれば時間の短縮につながります。一章でマチの広い袋を推奨したのは移動しながらの整理が容易になるからです。量があまりに多くなってきたら休憩スペースなどで一旦整理するのも手でしょう。

①②③を総合するとやりとりのプロセスは下記の通りになります。NGも載せますので比較してもらえると分かりやすいでしょう。参加者全員がこれを意識すると列はけの向上につながるので是非実践してみてください。そうそう、一礼を忘れないようにしましょう。

NG:頒布物を確認する→購入物を確定する→購入物を告げる→金額を告げられる→財布を出す→お金を渡す→購入物を渡される→お釣りを渡される→一礼→購入物をしまう→次へ向かう
OK:(お金を用意する→)購入物を告げる→金額を告げられる→ぴったり渡す→購入物を渡される→一礼→次へ向かいながら購入物を袋へしまい、お金を用意する



一人でも戦えるということをソロ勢に知って欲しかったのです。諦めずにあなたの欲しいを満たすのです。

最後にソロの危険性について述べて、ソロ編を終了とさせていただきます。
ソロで長いことやってると、こんなことになっていきます。
・たくさん買いたくて、シャッターや壁や大手を捨てて島中偏重になる
 別に欲しいものが島中だけにあるならそれでもいいのですが、大手をむやみに切り捨てるのも考えものです。本当に欲しい物を見つめなおして見るべきでしょう。
・大手を切ってしまったことで、大手の動向に疎くなる
 サークルというのは引きずられる物です、何らかの力によって。大手の牽引力というのはやはり大きく、その動向は注視しておくべきでしょう。
・独自の方向性の進化を遂げすぎて、いざ人と連携したい時に被るサークルが少なすぎる
 3章に関わってきますが、余りに独自進化すると連携してもうまみが少ない、かもしれません。
・一人では戦えない、ことが、あると分かる
 分かります。分からされます。

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